2020年09月の主な会員向け配信記事

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 単に運営者の怠慢によるものだが、この1年間ほど、本欄における会員向け配信記事の掲載が滞った。。

 あらためて1年前の記事を読み直しつつ、この「遅ればせながら」の投稿記事を作成していると、現在ある〝1年後〟の業界風景とは、ずいぶん変わってしまったものだと、改めて気付かされることにもなった。

 

 2020年「不足の夏需給」に広がる〝笑えない話〟= 国内のCOVID-19情勢とも連動し、生乳需給の行方に〝不測〟の変動リスクが強く意識される2020年の特殊情勢の中、都府県の飲用向け生乳市場には、近年、年中行事のように常態化する、夏場の生乳不足が08月後半から今年も顕在化する状況にある。関東以西で08月に入って猛暑が到来した影響で、都府県では乳牛への猛暑ダメージを主要因に生乳生産が急速な鈍化を示し、お盆を境に飲用市場で急速なひっ迫感が台頭する状況は、概ね事前の業界予想通りの展開。

 夏休みの旅行・帰省の自粛が広がり、例年夏に比して、家庭で過ごす日数が増えたことにより、家庭用の牛乳乳製品需要は一段と好調に推移。また同年春のCOVID-19感染禍〝国内第1波〟の中で学校の休校が長期に及んだ反動として、授業日数不足を補う学校現場では、例年ならば夏休みの時期に授業を行う動きが相次いだ。これが学校給食用牛乳の供給日数の増加をもたらす特異な動きを見せた。

 都府県飲用市場に広がる季節的な生乳不足と、特異な家庭用・学乳需要の増加が重なり、20年09月の国内生乳市場には、季節的な〝生乳不足〟が例年以上に極大化。乳業各社から寄せられた09月の北海道産生乳への注文は輸送能力の物理的な限界を1万t以上上回る「7万t超」の水準とされ、〝逆立ちしたって、無いものは無い〟生乳供給事業者の下へ、乳業各社の原乳調達担当者が日参する「意外なワケ」。学乳の特殊な需要増の中、窮余の一策案として「加工乳・乳飲料の代替供給」という言葉も業界内では浮上したものの、それも「やったらやったで面倒事が余りに多い」と結局、業界に敬遠されたウラ事情。乳業側の注文通りの原乳が用意できず、供給事業者が実施した「減t」がもたらす「不足の配分」…。そんな20年09月の国内生乳需給模様を概観した。(2020年09月12日配信)

 4連休明けの業界に〝厳しい1喝〟2020年台風12号が急襲、ほくれん丸〝事実上4日間欠航〟へ=上述のような都府県飲用市場の21年09月の厳しい「生乳不足」に、台風12号が追い打ち。都府県の生乳不足を補完する、北海道からの広域生乳輸送が4日間途絶する展開。

COVID-19をめぐる日本国内情勢(2020年09月11日現在)ー酪農乳業「産業のBCP」を考える(48/∞)=この2021年09月の会員サイト内の配信記事は、COVID-19国内感染禍「第2波」が沈静化に向かった中、外食産業等の営業自粛、生活者の外出の自粛の広がりで、深刻な停滞を見せた業務用乳製品需要の今後に、需要回復への淡い期待と、それでも国内感染禍の先行きに楽観的な余談は許されぬという警戒感が交錯していた産業情勢を映す。引き続き次なる〝第3波〟リスクへの警戒感が強く意識された中とは言え、新型コロナによる〝巣籠り需要〟の増大で、空前の活況と評しても良い家庭用商品の需要増、そして秋冬の季節的な乳製品需要期入りを前に、この時はまだ需要面で〝それほど悪くない材料〟への一抹の期待が業界にはあった。(2020年09月12日配信)