2020年12月の主な会員向け配信記事

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 短信速報=21年度補給金単価5銭下げも〝実質〟据え置きへ=2021年度の畜産物政策価格で、自民党は2020年12月09日夕、党畜産・酪農対策委員会を開き、党農林幹部と農水省、財務省の最終調整結果を報告。加工原料乳生産者補給金単価は前年度比5銭下げの生乳㎏当たり「8円26銭」、集送乳調整金は同5銭上げの同「2円59銭」、交付対象数量は前年度据え置きの「345万t」とすることで政治決着した。21年度補給金単価・交付対象数量は10日に農水省が開く食料・農業・農村政策審議会畜産部会に正式諮問され、同日夕にも同部会の答申を得て正式決定する。(2020年12月09日17時40分配信)

 年末年始の大規模需給緩和懸念で、Jミルクが生乳〝こぼさぬ〟全業界的努力を要請= 国内において感染禍の「第3波」が深刻化するCOVID-19情勢を背景として、2020~21年の年末年始期の生乳需給に例年以上の大幅緩和が到来する懸念が高まる12月の産業情勢を受けて、Jミルクは20年12月10日、この期間における生乳需要の喚起と乳業工場のフル稼働、製品における生乳使用率の引き上げ、酪農乳業界内における全方位的な貯乳能力のフル活用の4項目を内容に「年末年始の生乳需給状況を踏まえた緊急の取り組み」を全業界的に呼び掛ける緊急要請を08日付で発したことを明らかにした。(2020年12月10日配信)

 Xmas直前までの短期需給は〝予想に反したひっ迫〟Jミルクが需給短信【週報】で見解= Jミルクは2020年12月24日付公表の「Jミルク需給短信【週報】で、クリスマスシーズンを前にした12月後半の国内生乳需給の様相について「都府県の生乳需給は、予想と反して、ひっ迫基調で推移している」との情勢認識を明らかにした。COVID-19感染禍が「国内第3波」入りへの懸念を強める中、生乳需給は「需要面」への読めぬ影響に翻弄され、迷走する。(2020年12月24日配信)

 憂いの深さが「無風の早期幕引き」指向させる2021年度の価格・需給設計論議=新型コロナウイルスの国内感染禍が2020年の通年におよび、国民の外出自粛や政府・自治体の感染抑止策で外食の営業規制や観光業などへの打撃が長期化する。酪農乳業界では、巣籠り需要の高まりにより家庭用商品需要は空前の好況を迎えた反面で、その恩恵を帳消しにするまでの〝破壊力〟を伴った業務用乳製品需要の深刻な減少とその長期化は、国内の乳製品在庫に、かつて04~05年度の2カ年にわたり国内酪農界に厳しい減産を迫るに至った〝最悪〟の水準をうかがうまでの悪化をもたらしている。

 本連載は、年末年始期の季節的な生乳不需要期を前に、また21年度の生乳需給設計や酪農政策方針、乳価交渉が連動的に進む12月情勢の中で、短期的には余剰基調を強める生乳需給情勢の中、乳価を下げられぬ酪農界の本音と背景、さらには新型コロナ情勢が引き続き不透明なまま21年度にもこのままの生乳需給が続くと深刻な産業危機が到来する、との乳業界の激しい危機感が、21年度の乳価交渉情勢にどう影響を与えているか、酪農乳業界で生乳経済を動かすカギを握る有力関係者らへの取材に基づき、総力集中リポートしたものです。(2020年12月04~22日。全10回配信)

 以下、本連載中の記事見出しを例示。

「底流」に、ますます不透明感増すCOVID-19情勢
1年通じた激しい上下動は評価割れるも総合的には「ダメージ」が残存
いつか分からぬ〝コロナ後〟業務用市場の動乱も不可避か…
2021年乳価交渉をめぐる基本文脈と関係情勢
チーズ向け乳価〝引き下げ圧力〟への警戒で始まった21年度乳価交渉
〝下げカード切り〟を封じた乳業界にある〝桎梏(しっこく)〟と打算
指定団体関係者A氏に聞く、21年度乳価交渉をめぐる情勢(上)
指定団体関係者A氏に聞く、21年度乳価交渉をめぐる情勢(下)
生乳〝大緩和の懸念〟を前に、乳業界が抱く「憂鬱」
年末年始需給の〝目合わせ〟本格化、しかし結果は〝神のみぞ知る〟
業界内の空気を一変させた、ホクレン発の〝暴力的〟なまでの予測
年末年始の需給危機は〝本物の危機〟の「序章」にすぎない〟
需給調整の現場が〝天から降り下りる幸運〟をアテにしてどうするんだ?
産業史上の〝暗黒時代〟その轍を踏まぬために為すべきは何か